図書館の現場において、どのような基準で禁帯出資料が選定されているのかを分類すると、明確な4つのカテゴリーに集約されます。
第1に、辞書・事典・年鑑・白書・地図帳などの「参考図書(レファレンスブック)」です。これらは最初から通読するものではなく、特定の事項を調べるために一時的に開く性質を持ちます。レファレンスカウンターで司書が調査相談に応じる際や、来館者がその場で疑問を解決するために、常に館内の決まった棚に存在していなければなりません。
第2に、自治体の歴史や行政文書を記録した「郷土資料」や「貴重書」です。郷土資料が禁帯出となる理由は、その多くが自費出版、自治体発行の限定印刷物、あるいは絶版となった古文書であり、万が一汚損・紛失された場合に「二度と買い直すことができない」代替不可能な文化財だからです。長期的な保存と次世代への継承が最優先されます。
第3に、定期刊行物である「雑誌の最新号」や「当日の新聞」です。雑誌の最新号は発売直後に圧倒的な閲覧需要が集中します。もし貸出を許可すれば、特定の利用者が独占してしまい、他の雑誌愛読者が読めなくなります。そのため、次号が入荷してバックナンバーになるまでは「館内閲覧のみ」とし、次号到着と同時に貸出可能へステータスを切り替える運用が標準化されています。
第4に、大学図書館や専門研究機関が所蔵する「学術紀要・学位論文・大型美術全集」です。研究活動の基盤となるこれら専門資料は、学生や研究者が突発的に参照する必要性が高く、研究環境を維持するために手元から離さない措置が取られています。