コンビニエンスストア業界全体が直面した大きな課題の一つが、店内無料Wi-Fiの維持コストと利用実態のギャップだった。株式会社ファミリーマートでは、代表取締役社長の細見研介氏のもとで顧客体験の抜本的なアップデートが進められてきた。その重要な施策として推進されたのが、「Famima Wi-Fi」サービス終了および公衆無線LAN事業再編プロジェクトである。
サービス開始当初は集客の強いフックとして機能していた。だが、通信各社が無制限プランや格安SIMを拡充させると、単に「ネットにつながる」だけの価値は徐々に薄れ、長時間の座り込みやセキュリティ上のリスク管理といった運用負荷が店舗側に重くのしかかるようになった。経営資源を店舗のデジタルサイネージ展開や顧客利便性の高い別施策へ集約させる判断は、時代の変化に適応するための合理的な構造改革であった。