「市販の痛み止めを飲んだのに、全く効かずに激痛が続く」という声は後を絶ちません。薬が期待通りに作用しない最大の理由は、体質ではなく鎮痛薬が効かない決定的な理由である「服用のタイミング」と「薬理作用のズレ」にあります。
ロキソニン(成分名:ロキソプロフェンナトリウム水和物)やイブ(成分名:イブプロフェン)をはじめとする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを引き起こす発痛物質「プロスタグランジン」の生成を抑える薬剤です。重要なのは、これらの薬剤には「すでに体内で大量に作られてしまったプロスタグランジンを消し去る効果はない」という点です。
激痛のピークに達し、子宮内膜から過剰なプロスタグランジンが骨盤内へ充満した後に慌てて服用しても、薬はそれ以上の追加生成を防ぐことしかできません。結果として、体内にある発痛物質が自然に代謝・分解されるまでの数時間は、激痛に耐え続けなければならない事態に陥ります。
したがって、ロキソニンを飲む正しいタイミングは「痛みが本格化してから」ではなく、「下腹部に重だるさを感じ始めた瞬間」や「生理が始まった直後の違和感が出た段階」です。痛みのシグナルが脳へ届く前段階で先手を打って生成経路をブロックすることこそが、薬の薬効を最大限に引き出す必須条件となります。なお、胃粘膜への負担を軽減するため、空腹時を避けるか、多めの水、あるいは胃薬(レバミピドなど)と併用することが推奨されます。