田中ビネー知能検査で何がわかる?Wiscとの違いとIq判定の真実

田中ビネー知能検査で何がわかる?Wiscとの違いとIq判定の真実

田中ビネー知能検査で何がわかる?Wiscとの違いとIq判定の真実について分かりやすく解説いたします。最新の情報をお届けします。

田中ビネー知能検査Vにおける知能指数の算出ロジックは、子どもの年齢によって大きく2つの方式に分かれています。

2歳から13歳までの子どもに対しては、古くから使われている「比率IQ(Ratio IQ)」が採用されます。計算式は次の通りです。

IQ = (精神年齢 MA ÷ 生活年齢 CA) × 100

例えば、生活年齢が6歳0か月(72か月)の子どもが、検査の結果として7歳0か月(84か月)相当の課題までクリアできた場合、精神年齢は84か月となり、「84 ÷ 72 × 100 = IQ 116.6(約117)」と計算されます。逆に、生活年齢が6歳0か月で精神年齢が4歳6か月(54か月)相当であれば、「54 ÷ 72 × 100 = IQ 75」となります。

14歳以上の受検者については、成人用の心理尺度と同様に同年齢集団の中での相対的な位置を示す「偏差知能指数(DIQ)」が算出され、結晶性、流動性、記憶、論理推理の4つの因子別の得点も算出されます。

療育手帳(愛の手帳・みどりの手帳等)の判定基準との関連

福祉サービスの利用や特別支援学校への就学において極めて重要となるのが療育手帳の判定です。児童相談所や更生相談所で行われる判定調査では、原則として田中ビネー知能検査の数値が主要な指標として用いられます。

厚生労働省のガイドラインおよび各自治体の運用基準によると、一般的な判定の区分目安は以下のようになっています。

  • 最重度・重度(A判定・1度〜2度):知能指数がおおむねIQ 35以下。身辺自立に常時の介護を必要とする状態。
  • 中度・軽度(B判定・3度〜4度):知能指数がおおむねIQ 36〜70(自治体によっては75以下)。一定の介助や配慮があれば社会生活が可能な状態。
  • 境界知能(グレーゾーン):知能指数がIQ 71〜84程度。手帳の交付対象からは外れるケースが多いものの、学業や対人面での強い生きづらさを抱えやすい領域。

知能指数が70前後というボーダーライン上にいる場合、日々の着脱や排泄、コミュニケーションなどの「適応行動」の聞き取り評価が総合勘案され、交付の可否が決定されます。自治体によってIQ 75まで対象とする地域とIQ 70で厳密に区切る地域があり、地域差が存在する点には留意が必要です。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。