犬が耳を痒がる仕草の理由の多くは、この炎症による強烈な痒みと熱感にあります。初期段階のサインを見逃して放置すると、炎症は外耳道だけでなく中耳や内耳にまで波及し、不可逆的な組織変化をもたらす危険があります。
代表的な兆候として、以下のような変化が現れます。
- 犬の耳の黒い耳垢と臭い:独特の「古いチーズや蒸れた靴下、発酵パン」に例えられる強い脂っぽい悪臭が漂い、粘り気のある黒褐色〜暗褐色の耳垢が大量に付着する。
- 頻繁な仕草の異常:頭を小刻みに激しく振る(ヘッドシェイク)、耳の付け根を後ろ足で頻繁に引っ掻く、床や家具に耳をこすりつける。
- 耳介の皮膚変化:耳の裏や内側が赤く腫れ上がり、慢性化すると皮膚が象の肌のように分厚く硬化(苔癬化)する。
「そのうち自然におさまるのではないか」と犬の外耳炎の自然治癒を期待するのは極めて危険です。放置された慢性外耳炎は、耳道が肥厚して狭窄し、最終的には外科手術(全耳道切除術)しか選択肢がなくなるケースも存在します。