「春から夏にかけて順調に育っていた水耕サンスベリアが、初冬に突然崩壊した」という事例が頻発します。この悲劇の裏にあるサンスベリアが枯れる決定的な理由は、日本の冬季の「室温低下と過湿のミスマッチ」です。
サンスベリアの原産地である熱帯アフリカに冬はありません。気温が10℃を下回ると生長を完全に停止し、休眠状態に入ります。休眠したサンスベリアは根からの吸水活動をピタリと止めます。この状態で根元に冷たい水が滞留していると、根は呼吸も吸水もできず、冷水の中で窒息死して腐乱します。
この危機を乗り越えるためのサンスベリアの水耕栽培での冬越しメソッドは極めて合理的です。気温がコンスタントに12℃〜10℃を切り始めたら、思い切って容器から水を完全に捨てます。
純粋な水挿しの場合は水から引き上げ、新聞紙に包んで室内の暖かい場所(最低室温10℃以上をキープできる棚上など)に翌春まで転がしておく「完全断水休眠法」が最も安全です。「水耕栽培なのに水から出すのか」と驚かれるかもしれませんが、葉に膨大な水分を貯蔵しているため、春までの数カ月間水なしでも絶対に干からびることはありません。
ハイドロカルチャー仕立ての場合も、底水をゼロにし、月に1〜2回、気温の高い晴天日の日中に葉全体へ微量の霧吹き(葉水)を行う程度に留めます。窓辺は夜間に外気並みの極冷気に晒されるため、就寝前には必ず部屋の中央部や高い位置へ退避させてください。