事態が表面化したきっかけは、ショート動画投稿プラットフォームTikTokにアップロードされた一本の動画だった。そこには、店舗内で周囲を気にしながらも、悪びれる様子なく消毒液をレーン上の寿司皿へと噴射する様子が映し出されていた。
この動画がX(旧Twitter)などの他プラットフォームに転載されるやいなや、事態は急速に悪化。拡散のスピードは留まることを知らず、いわゆる「バカッター」現象の再来として猛烈な批判を浴びた。迷惑行為の当事者(撮影者・実行者)の身元特定に向けたネット上の動きも過熱し、特定の個人情報や学校名が暴かれる事態へと波及していく。過熱するSNSの反響は、事件の凶悪性と影響の広さを裏付けるものとなった。
事件の背景にあったのは、「動画映え」や「ウケ狙い」という身勝手な動機だ。しかし、その代償はあまりにも大きかった。店舗の衛生管理に対する信頼を崩壊させ、多くの顧客を遠ざける結果となったスシローアルコールスプレー噴射事件は、デジタル空間における承認欲求の暴走が招いた悲劇として、今も人々の記憶に刻まれている。