「全て遠き理想郷」が発揮する能力は、大きく分けて「常時発動型の治癒・再生能力」と「真名解放による絶対防御」の2段階で構成されています。
第一の恩恵である治癒能力は、鞘を身につけているだけで持ち主の老化を停止させ、受けた損傷を即座に修復します。劇中でランサーの「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)」によって心臓を破壊されかけた士郎が即死を免れた背景にも、体内に残存していたこの治癒効果が強く作用していました。ただし、この再生能力が万全に稼働するには、「本来の持ち主であるセイバーから魔力が供給されていること」が必須条件となります。セイバーが近くにいない、あるいはマスター契約が途切れている状態では、本来の性能の数割程度しか発揮されません。
第二の恩恵である真名解放は、Fate世界の武力体系における極致を示します。鞘が無数の微小な光のパーツへと分解し、展開者を包み込むことで「妖精郷そのものに身を置く」状態を作り出します。
特筆すべきは、型月世界における最高峰の神秘である「五大魔法」の干渉すら完全に遮断する点です。並行世界の運営や時間の旅行、物質の創出といった理の外にある力であっても、妖精郷という孤立した絶対境界を突破することは叶いません。物理攻撃、魔術、呪詛はもちろん、ギルガメッシュが放つ空間切断攻撃「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」すら完全に無力化しました。