ブローチを着用した保護者が式典当日に直面する最大のトラブルが、「ブローチのお辞儀現象」です。鏡の前で直立しているときは綺麗に見えていても、歩いたり一礼したりした瞬間に、ブローチの重みでジャケットの生地ごと外側へペタンと倒れ込み、下を向いてしまう状態を指します。
特に近年の主流である薄手のノーカラージャケットや柔らかなツイード素材では、生地のコシが足りずこのトラブルが頻発します。スタイリストや着付けの現場で実践されている、垂れ下がりを100%防ぐための3つの裏ワザを押さえておきましょう。
1. 生地のすくい幅を広くし、「斜め下向き」にピンを通す
ピンを水平に細くすくうだけでは、ブローチの頭部の重みに耐えられず回転してしまいます。ピンを刺す際は、布地を1.5〜2cmほどたっぷりと深めにすくうのが基本です。さらに、ピンを真横ではなく「右上から左下(あるいは左上から右下)」へわずかに斜めの角度をつけて通すことで、重力に対する抵抗力が生まれ、首振りを防ぐことができます。
2. ジャケットの裏側に「当て布(フェルト等)」を挟む
もっとも確実で劇的な効果を発揮するのが、ジャケット裏からの補強です。3cm四方に切った手芸用フェルトや厚手の接着芯、あるいは薄いメイク用スポンジを用意し、ジャケットの裏側から生地と一緒にピンですくい止めます。裏側に厚みと強度が生まれるため、生地がブローチの重量に負けて前に倒れる現象を物理的にシャットアウトできます。
3. シリコンキャッチで「遊び」をなくす
ピンの針部分に、市販のピアス用シリコンキャッチをあらかじめ1つ通してから生地をすくい、針先を留め具に収めるテクニックです。金具と生地の隙間が埋まり、摩擦力によってピンがグラグラ動くのを完全に防止できます。100円ショップで手に入る小さなパーツですが、安定感は見違えるほど向上します。