ネット検索で「東京都社会福祉保健医療研修センター」と入力した際、古い所在地情報や閉鎖されたページに誘導されて混乱した経験を持つ受講者は少なくありません。この混乱の根底には、東京都の福祉保健行政が推し進めてきた度重なる組織改編の経緯が存在します。
かつて東京都は、福祉・保健・医療の総合的な人材育成拠点として単一の研修センター施設を構え、対面中心の集合研修を行っていました。しかし、都民ニーズの高度化・多様化に伴い、行政改革の一環として外郭団体の統合が進行します。福祉サービスと保健医療の連携を強化する目的で設立された公益財団法人東京都福祉保健財団へ中核的な研修機能が移管され、同時に社会福祉法人の育成や地域福祉の推進を担う東京都社会福祉協議会(東社協・福祉人材センター)との間で業務の棲み分けが行われました。
さらに、2023年7月には東京都庁内部で長年続いていた「福祉保健局」が「福祉局」と「保健医療局」の2局へ正式に分割・再編されました。この行政機構改革により、現場の指導監督や施策立案を行う行政部署と、実際の研修実施を担う実務団体(東京都福祉保健財団など)の連携体制が再構築されています。過去の固定された研修センターという建物は姿を変え、現在は「福祉保健研修情報」を一元管理するポータルサイトと、都内各所のサテライト会場、そして高度に整備されたクラウド基盤がその役割を担っています。