粕漬けの二大定番魚といえば「銀だら(ギンダラ)」と「鮭(サケ)」ですが、肉質と脂質の性質が全く異なるため、それぞれに応じた焼き方のコツを押さえる必要があります。
まず、濃厚な脂の甘みと柔らかな身質が魅力の「銀だら」は、加熱すると身がほろほろと崩れやすくなります。グリル網の上でひっくり返そうとすると、網に張り付いて身がバラバラになってしまう事故が頻発します。そのため、銀だらの最適解は「フライパン+クッキングシート」一択です。ひっくり返す際も、箸ではなく幅広のフライ返しを滑り込ませ、シートごと傾けるように返すと身崩れを完璧に防げます。
一方、身がしっかり締まっている「鮭」は、皮目の香ばしさと身のふっくら感のコントラストが醍醐味です。鮭の場合は皮に独特の臭みが残りやすいため、皮の周りの粕をしっかり拭き取った上で、オーブントースターやグリルのホイル焼きが向いています。仕上げの段階で皮目を上にして少し強めの熱を当てることで、皮がパリッと仕上がり、脂のくどさを感じさせない極上の味わいに昇華します。
また、贈答品などで「冷凍便」として届いた粕漬けの扱いにも注意が必要です。「冷凍のまま焼くのか、解凍してから焼くのか」という点において、基本は「冷蔵庫で半日〜一晩かけた完全自然解凍」がベストです。凍ったまま焼くと、表面の糖分だけが先に焦げて中心が冷たいままという最悪の加熱ムラが発生します。どうしても急ぎで焼きたい場合は、電子レンジの解凍モードで20〜30%程度半解凍させた後、前述の「アルミホイル包み焼き」で極弱火からじっくり蒸し焼きにする必要があります。