霰粒腫の手術に対して強い不安を感じる最大の原因は、「閉ざされた処置室で具体的に何をされるのか見当がつかない」という情報の不透明さにあります。まずは、眼科外来で行われる霰粒腫摘出手術当日の流れ詳細まとめを時系列で把握しておきましょう。
来院後、まずは視力検査や眼圧測定などの基本検査を行い、医師による問診と病変部の再確認が行われます。手術室へ案内された後の標準的なステップは以下の通りです。
① 表面麻酔(点眼麻酔)と消毒:
リクライニングチェアまたは手術台に横たわり、最初に麻酔薬の目薬を点眼されます。これにより眼球表面の知覚が麻痺し、器具が触れたときの異物感が大幅に和らぎます。その後、まぶた周辺を丁寧に消毒し、滅菌された穴あきドレープ(布)が顔に被せられます。
② まぶたへの局所麻酔注射:
手術最大の山場となるプロセスです。極細の注射針を用いて、霰粒腫が存在する病変部の周囲へ局所麻酔薬(リドカインなど)を注入します。医師の「少しチクッとしますよ、深呼吸してください」という声かけとともに薬液が入っていきます。
③ 霰粒腫専用鑷子(せっし)による固定:
麻酔が浸透したことを確認後、霰粒腫を挟み込んで固定する特殊な器具(クランプ)を装着します。これにより術中の出血を抑えつつ、病変部を露出させます。まぶたを裏返す作業に伴い、強い圧迫感を覚える瞬間です。
④ 切開および内容物の掻爬(そうは):
メスで数ミリの切開を加え、内部に溜まった肉芽組織や変性した皮脂を専用のスプーン(鋭匙)で掻き出します。麻酔が完全に効いていれば、刃物の鋭利な痛みは一切なく、「奥を押されている感覚」だけが伝わります。
⑤ 止血確認と眼帯装着:
掻爬が完了したら器具を外し、ガーゼで数分間しっかりと圧迫止血を行います。裏側を切開する「結膜切開」の場合は基本的に縫合せず、自然治癒を待ちます。抗生物質の眼軟膏を塗布し、圧迫のための分厚い眼帯を装着して手術は終了です。入室から退出までの所要時間は、正味10分から15分程度で完了します。