SNSや医療Q&Aサイト、知恵袋などの当事者コミュニティを丹念に調査すると、梨状筋の痛みを甘く見たことによる痛切な後悔の声が数多く見受けられます。
「仕事が忙しく、ただの坐骨神経痛だと思って半年放置した。ある朝起きると足首に力が入らなくなっており、慌てて大学病院に駆け込んだときには坐骨神経の部分麻痺と診断された」(40代・ITエンジニア男性の投稿より)
「お尻のコリをほぐそうと、テニスボールの上に体重を乗せてグリグリ押し続けたところ、翌日から太もも全体が焼けるように熱くなり歩行すら困難になった」(30代・事務職女性の手記より)
臨床の現場でも、神経の持続的な絞扼(締め付け)が数ヶ月以上続くと、神経内部の血流が途絶えて浮腫や線維化が生じることが確認されています。初期段階であれば筋肉の緊張を解くだけで速やかに消失したはずのしびれが、神経自体の器質的変性を招くことで、何年間も不快な異常感覚(アロディニアや感覚鈍麻)として残り続けるケースがあるのです。「そのうち治るだろう」という過信は、治癒へのタイムリミットを狭めるリスク要因にほかなりません。