名前を鑑定する際、最大の分岐点となるのが漢字の画数計算ルールです。ここを理解していないと、同じ名前でも流派によって全く異なる結果が導き出されることになります。
熊崎式をはじめとする伝統流派の多くは、中国の清代に編纂された『康熙字典(こうきじてん)』の部首の元々の画数を採用します。たとえば「さんずい(氵)」は「水」の4画、「てへん(扌)」は「手」の4画、「くさかんむり(艹)」は「艸」の6画として機械的に復元して計算します。これに対し、山本式や実用重視の諸流派では、文字が実際に書かれ、社会で認識される筆順やエネルギーを重視するアプローチを取るケースが見られます。
旧字体と新字体の論争は、姓名学界で100年近く続く難問です。たとえば「沢(澤)」という文字の場合、新字体「沢」は7画ですが、旧字体「澤」は16画となり、9画もの差が生じます。熊崎式では「澤の16画」で計算しますが、山本式のアプローチでは「本人が普段どの文字で自己認識し、周囲から認識されているか」という心理的・実体的な作用も無視しません。この現実的な視点こそが、多くの現代人に支持される要因となっています。