結論から明かすと、「青戸ベイサイドヒルズ」という名称の分譲マンションや商業施設は葛飾区内に実在しません。登記簿や住宅地図、大手不動産ポータルサイトの過去取引ログをくまなく照合しても、同名の建造物は登録されていないのが動かぬ事実です。
ではなぜ、これほど具体的な名称が検索され続けているのでしょうか。発端を辿ると、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のまちBBSやX(旧Twitter)などのネットコミュニティにおいて、地元住民や東京の地理に詳しいユーザーが使った自虐的スラングが元ネタとなっています。海(ベイ)に面しておらず、山の手のような丘陵地(ヒルズ)でもない、典型的な海抜ゼロメートル地帯・下町低地の「葛飾区青戸」に対し、あえて湾岸タワマン風の煌びやかなカタカナ名を冠したパロディが定着した形です。
一部では「中川の蛇行部沿いに建つ大型団地(公団青戸団地やリバーサイドのマンション群)を指す隠語」「地元の呑兵衛たちが居酒屋で語り合った冗談」とも語り継がれており、下町情緒と現代のネットミームが見事に融合した呼称といえます。