ネット上の情報や民間療法において「痛みがなければ様子を見てよい」「一度だけの赤い尿は疲れのせい」といった危険な言説が散見されますが、これは医学的に極めて危険な誤解です。
尿路結石による血尿は、激しい疝痛発作を伴うため患者自身が自発的に医療機関を受診します。しかし、膀胱がんや腎がんなどの尿路上皮悪性腫瘍から生じる血尿は、初期から中期にかけて「全く痛みを伴わない無症候性血尿」として発症するケースが約80%を占めます。さらに、出血は一時的で数日で元の淡黄色に戻る「間欠性」の特徴を持ちます。
「自然に治った」と誤認して放置し、数カ月後に再出血した時には腫瘍が筋層や周囲組織へ浸潤していたという事例は後を絶ちません。「肉眼で確認できる赤色尿が一度でも出た場合、痛みがなくても直ちに泌尿器科で膀胱鏡検査や超音波検査を受ける」ことが、命を守る鉄則です。