連載当時のヤングジャンプ本誌や、その後の単行本・アニメ放送時において、ファンコミュニティを最も沸騰させた要素の一つが、山界の戦士たちが見せた圧巻の戦闘能力でした。数あるキングダム 蕞攻防戦 名シーンまとめの中でも、読者の網膜に強く焼き付いているのがバジオウ 蕞 活躍の場面です。
普段は双剣を携え、楊端和の忠実な側近として冷静沈着に佇むバジオウ。しかし、蕞の平原に突撃した彼は、封印していた「獣の血」を解き放ちます。幼少期に山中で野獣として育ち、かつて楊端和に敗れて人間性を取り戻した彼が、仲間を屠り政の民を追い詰めた敵軍に対して剥き出しにした狂気は、趙軍の精鋭部隊を戦慄させるに十分でした。
当時、現場の読者レビューやSNS上では、次のような生々しい賞賛と興奮の声が溢れていました。
「絶望してページをめくる手が震えていた時に、あの角笛が鳴った瞬間の全身の鳥肌が今でも忘れられない」
「理屈の李牧を、野生と信義の塊であるバジオウや楊端和が粉砕していく構図が痛快すぎる」
「民兵たちが涙を流しながら抱き合って倒れ込むコマで、胸が締め付けられた」
巨大な石球を軽々と振り回すタジフ、鳥頭の仮面を被り目にも留まらぬ速攻を仕掛けるシュンメン、そして誰よりも美しく誰よりも獰猛に敵兵の首を刎ねていく楊端和。知略と兵糧攻めという合理主義に縛られていた李牧の軍勢は、彼らがこれまでの戦場で一度も遭遇したことのない「野生の脅威」に直面し、統率を完全に失っていきました。