彼女の女優としての評価を決定づけた代表作の一つが、1994年公開の映画『居酒屋ゆうれい』です。萩原健一演じる主人公の先妻でありながら、未練を残して幽霊となって現れる女性・しず子役を熱演しました。コミカルでありながらどこか哀愁と色気が漂うベッドシーンや感情の起伏を見事に表現し、観客を強く惹きつけました。
本作での怪演が高く評価され、室井滋は第18回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞やキネマ旬報助演女優賞をはじめとする主要な映画賞を総なめにしました。艶めかしさと笑いを絶妙なバランスで演じ切る類稀な表現力こそが、後世まで語り継がれる彼女の真骨頂といえます。