本作の最大の武器は、ひと癖もふた癖もあるキャラクターたちを演じきった実力派俳優陣の豪華な陣容だ。地面師グループのリーダーであり、冷酷無比なサイコパス・ハリソン山中を演じる豊川悦司。そして、過去の悲劇から地面師の道へと足を踏み入れた交渉役・辻本拓海を演じる綾野剛。この二人の異質なバディ関係を中心に、事件の歯車が高速で回転し始める。
相関図を紐解くと、チームの脇を固める面々も凄惨な熱量を放っている。情報屋の竹下を演じる北村一輝は、薬物依存と底なしの強欲さにむしばまれた男をギラつき満載で怪演。なりすまし役をスカウトする麗子役に小池栄子、法律の手続きを偽造する司法書士の後藤役にピエール瀧、手配師の長谷川役に染谷将太と、まさに主役級の演技派がズラリと並ぶ。さらに、彼らを追う定年間近の刑事・辰をリリー・フランキーが滋味深く演じ、追う者と追われる者の濃密な人間模様が完成している。