1Fが突きつけた現実は、日本のエネルギー・原子力産業の根底を揺るがし続けている。東京電力ホールディングスに課せられた廃炉と賠償、除染の責任は数十年におよぶ超長期プロジェクトであり、その総費用は国家予算規模に達する。
電力の安定供給と脱炭素化の要請が叫ばれる一方で、放射性廃棄物の最終処分場問題はいまだ抜本的な解決の道筋が見えていない。廃炉の現場から搬出される大量の廃棄物をどこへ運び、何万年もの時間をどのように管理するのか。技術的なブレークスルーへの期待と、現実の重金属のような課題。エネルギーの恩恵を享受してきた社会全体が、この重いツケから目を背けることは許されない。