毎年秋に開催される「神田古本まつり」は、靖国通りの歩道に100万冊を超える本が並ぶ日本最大級のブックフェアだ。期間中は全国から愛書家が詰めかけ、青空の下で本との一期一会を楽しむ。
興味深いのは、近年この光景に若い世代の姿が目立って増えていることだ。普段はNetflixで配信ドラマやアニメを楽しむデジタルネイティブ層が、昭和レトロな街並みの写真映えや、世界に一冊しかない絶版アートブック、ヴィンテージポスターを求めて神保町を訪れている。動画ストリーミング全盛の時代だからこそ、手触りや紙の温もりを持つ物質としての本が、新たな価値として再評価されているのだ。