2000年代半ば、いわゆるガラケーの普及とともに、二次元オタク文化は急速な個人の表現手段を獲得した。その代表格が、二次創作の文字文化である夢小説だ。読み手が物語の主人公となり、愛するキャラクターと会話を交わすこのフォーマットは、自己投影を極限まで高めるメディアとして定着した。
このテキスト主導の快楽を視覚化しようという試みから誕生したのがメル画である。当時の個人サイト管理主たちは、制限された画質と限られた画像編集ツールを駆使し、送信元名、件名、本文、そして背景画像を精巧に組み合わせた。画面に表示される一文字一文字が、ファンの心拍数を跳ね上がらせたのだ。