藤田田の先見性を語る上で欠かせないのが、ソフトバンクグループ創業者である孫正義氏との邂逅エピソードです。
当時、九州の高校生だった孫氏は藤田氏の著書に深く感銘を受け、「どうしても藤田田に会いたい」と上京。藤田商店のオフィスへ連日電話をかけ、秘書に断られても諦めずに直談判を続けました。その常軌を逸した熱意に根負けした藤田氏が「15分だけなら」と面会を許可したことから、歴史的な対談が実現します。
「これからアメリカに行くべきか、そして何を学ぶべきか」と問いかけた16歳の孫青年に向けて、藤田氏は迷わずこう言い放ちました。
「これからはコンピュータの時代が来る。私なら迷わずコンピュータを勉強する」
この一言に背中を押された孫氏は渡米を決意し、カリフォルニア大学バークレー校で最先端のテクノロジーを吸収。のちに巨大ITグループを築き上げることになります。孫氏は今なお藤田氏を「生涯の恩人」として深く敬愛しており、時代を見通す慧眼の凄まじさを物語る逸話として語り継がれています。