HYDEの真骨頂は、常に自らのパブリックイメージを軽やかに破壊し、再構築し続けた点にある。初期のダークファンタジー的なロングヘアから一転、1990年代後半に見せた鮮烈な金髪ボブやブレイズヘア、さらにはミニマルなストリートスタイルへの変化は、当時のカルチャーシーンに計り知れない影響を与えた。
ヴィジュアル系という言葉が音楽シーンで独自の進化を遂げるなか、HYDEのアプローチは単なる装飾やメイクアップの枠組みを完全に超越していた。性別や既存のロックスター像にとらわれないジェンダーレスな美学は、現在のファッションシーンやK-POPをはじめとするアジアのポップカルチャーが追求するスタイルの先駆者そのものだったと言える。時代が彼のセンスに追いつくのに、実に四半世紀以上の時間が必要だったのだ。