ネット通販でパンツを購入する際、多くの人が「自分の股下は72cmだから、股下72cmと書かれたズボンを買えばぴったりのはずだ」と思い込んでいます。しかし、まさにこの思い込みこそが、届いた服を着て愕然とする最大の原因です。
根本的な原因は、ヌード寸法と仕上がり寸法の違いを正確に区別できていない点にあります。ヌード寸法とは、衣服を身につけていない状態の「身体そのものの骨格・肉づきの数値」を指します。一方、仕上がり寸法(製品寸法・実寸)とは、衣服そのものを平らな台の上に置いて計測した「布地自体の寸法」のことです。洋服には身体の動きを妨げないための「ゆとり分」が不可欠であり、さらにウエストを留める位置(股上の深さ)によって、同じ股下数値であっても裾の位置が劇的に上下します。
もう一つの落とし穴が、股下と総丈の違いを把握していないケースです。股下は「股の十字の縫い目から内股の縫い目に沿って裾端まで」を測った長さですが、総丈は「ウエストの最上部から裾端まで」の直線距離を指します。仮に総丈が同じ100cmのパンツでも、股上が30cmの深履きハイライズであれば股下は70cmになり、股上が20cmの浅履きローライズであれば股下は80cmになります。ウエストをどの高さで固定して履く服なのかを無視して股下の数字だけを追ってしまうと、シルエットの破綻は避けられません。