各店舗が提供する看板ランチには、長年培われた目利きと調理技術の粋が詰まっています。ここでは読者の関心が高い主要店舗のメニュー構成と、その実力を深掘りします。
1. レストラン ティファニー(カネ吉山本):王道にして頂点の駅近ステーキ&御膳
JR近江八幡駅北口から徒歩わずか3分という好立地に構えるのが、明治29年(1896年)創業の老舗「カネ吉山本」が直営するレストランティファニーです。1階が精肉および特産品の直売所、2階がテーブル席の洋食フロア、3階が純和風の個室・お座敷フロアという構成になっています。
同店のランチで圧倒的な支持を集めているのが、熟練のシェフが絶妙な火入れで提供する近江牛ステーキランチや、数量限定の特選ランチ御膳です。カネ吉山本の代名詞でもある「特選あみ焼き」や、伝統の割り下で仕上げるすき焼き御膳など、1階で卸している新鮮なブロック肉をそのまま厨房で捌くため、ドリップ(旨味成分の流出)が一切ない状態で提供されます。
2. まるたけ近江西川:観光地ど真ん中で実現する驚異の「すき焼き定食」
「観光地のメインストリートにある飲食店は割高」という定説を覆しているのが、日牟禮八幡宮の参道近くに位置するまるたけ近江西川です。昭和22年創業の老舗精肉店が運営しており、近江八幡の近江牛ランチで安いコスパ店を探すなら真っ先に候補に挙がる一軒です。
特に人気の近江牛すき焼き定食や、自分で焼き加減を調整できる網焼き御膳は、3,000円前後の価格帯でありながら美しい霜降り肉が惜しげもなく盛り付けられています。赤身の濃厚な旨味と、甘みのある脂が溶け出した割り下をご飯に絡めて食べるスタイルは、老若男女を問わず高い満足度を獲得しています。
3. 毛利志満(もりしま)近江八幡本店:自社牧場肥育が誇る極上ステーキと石焼
喧騒を離れ、最高峰の肉質とホスピタリティを求める層が向かうのが、明治12年(1879年)創業の毛利志満 近江八幡本店です。同店の最大の特徴は、自社牧場(毛利志満牧場)で子牛の選定から肥育、加工、提供までを一貫して行うシステムにあります。
当時のグルメ特番のインタビューや老舗当主の談話・手記でも語られた「ただ霜降りのサシが多ければ良いのではない。人の体温で溶けるほど融点が低く、食後に一切胃もたれしない脂の質こそが本物の近江牛である」という哲学は、ランチのステーキや名物の「石焼」に色濃く反映されています。3,000円台後半から楽しめる「花かご膳」のような彩り豊かなランチから、シェフが目の前で焼き上げる1万円超の特選ヒレ・サーロインコースまで、価格以上の体験価値を提供しています。
4. 近江牛ひつまぶしの名店群と、千成亭 八幡堀店の食べ歩きコロッケ
2024年から2026年にかけて、SNSを起点に指名検索が急増しているのが近江牛のひつまぶしを提供する近江八幡の名店です。前出の「まるたけ近江西川」をはじめ、旧市街地の「だるまや」や「ひさご寿し」などでも、レアに焼き上げた近江牛を特製のタレでお櫃ご飯の上に敷き詰めたメニューが看板商品となっています。1杯目はそのまま肉の旨味を味わい、2杯目はワサビやネギなどの薬味を添え、最後は熱々の和風出汁をかけてお茶漬け風にする3段階の食べ方は、脂の重さを感じさせないため女性客やシニア層から絶大な支持を得ています。
また、しっかりとした定食を食べる時間がない場合や、ラ コリーナ近江八幡でのスイーツ食べ歩きと併用したい旅行者に重宝されているのが、千成亭 八幡堀店の食べ歩きコロッケです。ホクホクのじゃがいもの中に甘辛く煮込んだ近江牛がしっかりと入った揚げたてコロッケやメンチカツ、さらには1貫から注文できる近江牛の肉寿司は、八幡堀の石畳を散策しながら手軽に名店の味を楽しめるキラーコンテンツとなっています。