登戸駅に一歩足を踏み入れると、駅名標やエレベーターの扉、壁面サイン、さらにはゴミ箱や待合室のベンチに至るまで、国民的キャラクター「ドラえもん」をはじめとする藤子・F・不二雄作品のモチーフで統一されていることに驚かされます。改札前には「どこでもドア」のモニュメントが設置され、列車接近メロディには『夢をかなえてドラえもん』や『ドラえもんのうた』が流れます。
この徹底した空間演出の理由は、駅から直行バスで約9分の場所に位置する「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」の最寄り駅(玄関口)であるためです。長年多摩区に居を構え、数々の名作を生み出した藤子・F・不二雄氏の功績を称え、川崎市・小田急電鉄・藤子プロの三者が強固なパートナーシップを結んだことで、2019年に駅全体のキャラクター装飾が本格実現しました。
都市社会学的な観点から見ても、この取り組みは単なる観光プロモーションにとどまりません。無機質になりがちな鉄道結節点に温かみとアイデンティティを与え、地域住民の「シビックプライド(地域への愛着と誇り)」を醸成する高度な地域ブランディングの成功モデルとして高く評価されています。