「店のような厚みが出ない」「焼き縮んでぺちゃんこになる」。家庭での再現に挑んだ多くの人が直面するこの壁を打ち破るため、都内の名店シェフに直接取材を敢行した。明かされた秘密と、家庭のフライパンで絶対に失敗しない再現メソッドを余すところなく公開しよう。
最大の鍵は、メレンゲの安定化にある。卵白を泡立てる直前まで冷凍庫でボウルの縁がシャリッと凍る程度まで冷やし、ほんの数滴のレモン汁を加えること。これだけで卵白のコシが劇的に強くなり、キメ細かい強靭な泡が立ち上がる。
家庭で完璧な高さを出すための極秘ステップは以下の通りだ。
まず、フライパンを弱火で温め、薄く油を引く。生地をすくい、丸くこんもりと置いたら、大さじ1杯の水をフライパンの空いたスペースに垂らしてすぐ蓋をする。「焼く」のではなく「蒸し焼き」にするのだ。弱火のまま3分蒸らした後、蓋を開けて同じ生地の上にもう一度生地を重ねる。この「2段重ね」こそが高さを生む秘策である。再び水小さじ1を足して蓋をし、3分。裏返して水小さじ1を足し、蓋をして弱火で5〜6分じっくり火を通す。
皿に移す瞬間、驚くほど軽やかでボリューミーなタワーが目の前に現れるはずだ。口に含めば、専門店さながらの幸福な口どけが広がる。