SEALDsを巡り、ネット掲示板やSNSで数年間にわたり拡散されたのが「メンバーは公安にマークされ、企業の人事ブラックリストに載っているため一般就職できない」という言説です。まとめサイト等では「末路が悲惨」といった見出しが飛び交いました。
企業採用の実務から見るデマの構造
大手企業の人事採用担当者や信用調査会社の関係者によると、学生運動や市民デモの参加歴そのものを一律に排除する公式な「共通ブラックリスト」は存在しません。憲法が保障する思想・信条の自由や個人情報保護の観点からも、企業がそうした名簿を組織的に共有・運用することは法的なリスクを伴います。
「就職できない」のではなく「別の道を選んだ」実態
実際の進路データを検証すると、主要メンバーの多くが就職活動で落とされたのではなく、自らの意思で大学院への進学、起業、留学、専門職(研究・芸術・執筆)を選択しています。顔と名前が全国区で認知されたことで、保守的な大手企業の一般的な総合職よりも、個人の裁量と実績が重視されるクリエイティブ領域や学術領域にキャリアの軸足を置いたというのが実態です。