私たちが日常的に口にしている醤油の約8割は濃口醤油です。しかし、原材料欄を確認すると「丸大豆」と書かれたものと、「脱脂加工大豆」と記載されたもの(いわゆる普通の醤油)の2系統に分かれます。
この2つの決定的な違いは、大豆に含まれる「油脂分」が含まれたまま発酵させているか否かにあります。
丸大豆醤油は、収穫された大豆をそのまま丸ごと使って仕込みます。大豆の油分は約20%を占めており、長期間の本醸造方式による発酵・熟成の過程で、油分がグリセリンや脂肪酸へとゆっくり分解されます。これが醤油特有の「丸みのある甘み」と「深みのある上品なコク」を生み出す源泉となります。
対して普通の醤油に使われる脱脂加工大豆は、大豆から油分(大豆油)をあらかじめ圧搾・抽出したものです。油分が抜けている分、タンパク質の比率が非常に高く、微生物による分解がスムーズに進みます。その結果、旨味成分であるグルタミン酸などのアミノ酸が効率的かつ豊富に生成され、香りが立ちやすく、キレのあるシャープな味わいに仕上がります。