生より冷凍が旨い?しいたけの旨味が激変する理由と正しい保存術の全貌

生より冷凍が旨い?しいたけの旨味が激変する理由と正しい保存術の全貌

生より冷凍が旨い?しいたけの旨味が激変する理由と正しい保存術の全貌についての最新情報をお届けします。

せっかく丁寧な下処理を施しても、最後の火入れの段階で台無しにしてしまうケースが後を絶ちません。もっとも警戒すべき落とし穴が「使う前に常温で自然解凍する」「冷蔵庫に移してゆっくり戻す」という行動です。しいたけ冷凍解凍方法において、事前解凍は百害あって一利なしのタブーと断言できます。

しいたけを緩慢に自然解凍させると、壊れた細胞膜の隙間から水分とともに、生成された貴重なグアニル酸やアミノ酸が黒褐色の「ドリップ」として外へ激しく流れ出します。その結果、旨味は抜け殻のように消失し、残された繊維はゴムのようにブヨブヨとした不快な食感へ変わり果ててしまいます。

料理のクオリティを保証する唯一の鉄則は、冷凍しいたけそのまま調理を徹底することです。凍りついた状態のまま、沸騰した味噌汁や鍋のスープへ直接投入する、あるいは十分に熱したフライパンの油の中へ一気に放り込みます。

急激に温度を上昇させることで、ドリップの流出を防ぎながら、60℃〜70℃の旨味生成温度帯を一気に駆け抜け、細胞内の水分を逃さず閉じ込めることが可能になります。煮込み料理であればスープそのものにしいたけの濃厚なエキスが溶け込み、炒め物であれば外側は香ばしく、内側はプリッとした弾力を鮮やかに維持できます。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。