自作派のユーザーから時折持ち上がるのが、「市販の特殊なホログラムシール紙や耐水クラフトシールをトレイに入れて印刷できないのか」という疑問です。しかし、結論から言えばシール紙持ち込み不可の理由は極めて明白であり、どのコンビニチェーンでも固く禁止されています。
業務用マルチコピー機は、用紙が内部の高速搬送ローラーを通過し、超高温の定着ユニット(フューザー)でトナーを焼き付けます。市販のインクジェット専用シール紙や家庭用ラベルシートを無断で手差しトレイ等に挿入した場合、熱によって粘着剤が溶け出してドラムに焼き付くか、搬送途中で剥がれて激しいジャム(紙詰まり)を引き起こします。
万が一、持ち込み用紙によって機器が故障した場合、業務妨害および器物損壊の責任を問われるだけでなく、数十万円規模に及ぶユニット交換費用や営業補償を請求される重大なトラブルへと直結します。マルチコピー機内部には専用に耐熱テストを通過したロール用紙があらかじめ装填されているため、利用者は必ず指定された内蔵用紙を使用しなければなりません。
また、もうひとつの盲点が「著作権・肖像権と公序良俗に関する機械判定」です。近年配備が進む最新鋭のコピー機は、AIによる画像解析フィルターが高度化しており、著名人の写真、アニメの版権イラスト、紙幣や公的証明書に酷似したスキャン画像に対して、印刷制限がかかるケースが存在します。純粋な個人利用の範囲であっても、自作ステッカーをフリマアプリ等で販売する行為は明確な権利侵害となるため、倫理的な境界線を厳格に保つリテラシーが求められます。