十三エリアで発生した火災のなかでも、都市災害として全国的に報道された最大の事案が、阪急十三駅西口改札の北西側至近に位置する飲食店街「十三トミータウン」(通称:しょんべん横丁)で発生した火災です。発生直後からネット上では「十三の火事はどこなのか」「駅構内まで燃えているのか」といった情報が錯綜しました。
現場は改札を出て数十秒という超至近距離に位置し、戦後の闇市をルーツに持つ木造2階建て・3階建ての老舗居酒屋やバーがひしめき合うエリアでした。大阪市消防局の出動記録および各社の報道資料によると、火の手は瞬く間に隣接する長屋形式の建物へと燃え広がり、店舗など約36棟、延べ約1,500平方メートルが全半焼する激甚な被害をもたらしました。
出火の直接的な理由について、当初はガス爆発や厨房の油への引火など様々な憶測が飛び交いました。しかし、大阪府警淀川警察署と市消防局による徹底した現場検証の結果、火元となった飲食店のカウンター下を通る電気コードのショート(電気的要因)が出火の直接的原因と断定されました。老朽化した配線に長年負荷がかかり、埃や湿気が原因となってトラッキング現象や短絡を引き起こした構造的なリスクが白日の下に晒されたのです。