千葉県における地震リスクを論じる上で、断層の有無以上に実生活を左右するのが「地盤の物理的強度」です。県内の地盤構造は、大きく分けて強固な「下総台地」と、軟弱な「東京湾・利根川沿いの低地および埋立地」に二分されます。
2011年の東日本大震災時、震源から遠く離れていたにもかかわらず、浦安市や千葉市美浜区などの湾岸埋立地では広範囲にわたる深刻な液状化被害が発生しました。当時の被災住民による証言記録には、「地面から泥水が噴き上がり、数日間にわたって上下水道とガスが完全停止した」「住宅が傾き、基礎の補修に1,000万円以上の実費を要した」といった壮絶な体験が記されています。
千葉県が公開している液状化ハザードマップを確認すると、埋立年代が比較的新しいエリアや旧河道(昔の川筋を埋め戻した場所)は、揺れが増幅されやすい「極めて危険度が高いゾーン」に指定されています。断層から離れた地域であっても、沖積層の厚い地盤では震度が1〜2ランク跳ね上がる現象(表層地盤増幅率の高さ)が確認されており、地盤データの精査は居住地選びにおいて不可欠なステップです。