本作の舵を取ったのは、これが映画シリーズ初監督となった高橋渉氏と、劇団☆新感線の座付作家であり『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などで知られる脚本家・中島かずき氏の強力タッグです。シンエイ動画とテレビ朝日が長年培ってきたファミリー向けアニメの王道フォーマットに、中島氏特有の骨太な熱血劇と先の読めないSFサスペンスのダイナミズムが融合しました。
日本の家庭内で軽視されがちな父親たちの復権を企む秘密組織「ちちゆれ同盟」の暗躍という、突飛で笑えるシチュエーションから物語は開幕します。しかし、単なるドタバタなSFコメディにとどまらず、物語の深度は中盤以降、一気に加速していきます。エンターテインメントとしての間口の広さを保ちながら、人間の尊厳に関わる本質的なドラマへと観客を誘う構成力は、まさに圧巻の一言です。