囃子のリズムに乗せて観客と跳人が一体となるラッセラー掛け声の由来には、諸説が存在します。有力な学説によると、「出せ、出せ、ろうそく出せ」という七夕の灯籠流しに由来する要求表現「出せ(ラーセ)」が変化したという説や、酒やご馳走を振る舞う「振る舞い(ラッセ)」から派生したという説が伝えられています。いずれも共同体の中で灯火や飲食を分かち合う民俗儀礼が背景にあります。
また、津軽地方の夏祭りとして双璧をなす弘前ねぷたと青森ねぶたの違いを理解すると、観賞の解像度が一段と高まります。両者は同じ「眠り流し」の農民行事をルーツとしながらも、異なる美意識と地域性を育んできました。
開放的な港町で発展した青森の「動」のエネルギーと、歴史ある城下町で磨かれた弘前の「静」の情緒。この対比は、津軽の短い夏にかける人々の精神文化の豊かさを物語っています。