生物学的な課題を抱える一方で、人間社会においてオッドアイ猫は古くから神秘的な存在として崇められてきました。特に日本において、その存在は幸運を呼ぶ猫の縁起物として確固たる地位を築いています。
日本では古来、黄色や琥珀色の瞳を「金」、青や銀色に見える瞳を「銀」になぞらえ、「金目銀目(きんめぎんめ)」と呼んで珍重してきました。「金と銀を両方宿した猫が家に居着けば、金運と繁栄が無限にもたらされる」と信じられ、江戸時代の商人たちの間では商売繁盛の縁起担ぎとして愛された記録が残っています。
今日広く親しまれている「招き猫」のルーツにも、オッドアイのジャパニーズボブテイルが深く関わっています。豪徳寺をはじめとする招き猫発祥の伝説において、白い被毛に金目銀目を湛えた猫が福を招くシンボルとして造形化された例は少なくありません。また、西洋文化圏や中東においても、邪視(イービルアイ)を跳ね返す魔除けの力や、神仏の加護を持つ霊獣として畏敬の念を集めてきました。