医学界からも警鐘が鳴らされている。口腔外科学の臨床現場において、顎関節症の主因として最も警戒されているのが「TCH(歯列接触癖)」だ。通常、安静時の人間の上下の歯はわずかに離れている。しかし、スマートフォン操作やデスクワーク、強いストレスにさらされると、無意識に歯を接触させ続けてしまう人が急増している。
日本顎関節学会の指針によれば、たとえ軽い力であっても、歯と歯が接触し続けるだけで顎関節周辺の筋肉は緊張し続け、血流障害と炎症を引き起こすという。タレントや俳優のように常にカメラの視線や評価に晒される職業は、無自覚なストレスからこのTCHに陥りやすい。学会は、単なる骨や関節の異常だけでなく、行動心理学的なアプローチを含めた早期の生活習慣改善を強く推奨している。