三位決定戦はなぜやる?不要論の真相と五輪・W杯の決定的な違いの詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
世界中のすべてのトーナメントが三位決定戦を実施しているわけではありません。むしろ、合理性と選手保護を突き詰めた結果、廃止を選択した大会も数多く存在します。主要なスポーツイベントにおける規定と開催事情を以下の比較表にまとめました。
項目(大会名)詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価FIFAワールドカップ開催あり/3位賞金約2,700万ドル(4位と約200万ドル差)世界の単独競技大会で最高峰の賞金額放映権ビジネスとFIFAランキング付与が主目的。商業的成功の要。オリンピック(球技等)開催あり/勝者に銅メダル授与、敗者は4位(メダルなし)表彰台(メダル)の有無による極端な評価差「手ぶら帰国」を避けるための執念が激突。競技的価値が極めて高い。UEFA欧州選手権(EURO)開催なし/1980年大会を最後に完全廃止(ベスト4で確定)欧州主要大会では廃止が標準的視聴率急落と選手側の猛反発を受け撤廃。実利と過密日程排除を優先した英断。プロ野球クライマックスシリーズ開催なし/日本シリーズ進出チーム以外はシーズン終了リーグ戦順位(ペナントレース)が明確すでに143試合を消化しており、日本一決定以外の順位戦に需要が存在しない。テニスグランドスラム開催なし/準決勝敗退者は一律「ベスト4」としてポイント付与個人競技トーナメントの国際標準過酷な5セットマッチで敗者に再戦させることは肉体破壊に直結するため排除。
ここで注目すべきは、三位決定戦が行われない大会の理由です。とりわけUEFA欧州選手権(EURO)が三位決定戦を廃止した1980年イタリア大会の経緯は示唆に富んでいます。当時行われたチェコスロバキア対イタリアの3位決定戦は、準決勝敗退に落胆した開催国サポーターがスタジアムへの来場をボイコットし、スタンドは閑古鳥が鳴く異様な光景となりました。テレビ視聴率も壊滅的な数字を記録し、UEFAは「大会のブランド価値を損ね、選手を無為に消耗させるだけだ」と判断して翌1984年大会から即座に廃止しました。
テニスやプロ野球も同様であり、すでにシーズンや大会を通じて厳密なランキングや勝率が出ている以上、「敗者をもう一度戦わせる意義」は興行的にも競技的にも成立しにくいという現実が浮き彫りになっています。