なぜここまで感情的対立が激化するのか。その根底には、昭和から平成にかけて作られた「標準的な家族」を前提とする社会システムの行き詰まりがある。未婚化やDINKS(共働きで子どもを持たない夫婦)、不妊治療の断念など、生き方が多様化したにもかかわらず、行政や企業の制度は「家族を持つこと」を標準として設計され続けている。
自らの意思で子どもを持たない道を選んだ人もいれば、欲しくても持てなかった人もいる。個人の複雑な事情を無視し、「子育て世帯=優遇」「子なし世帯=放置」という二元論で割り切る政治の姿勢が、人々の分断を深める最大の要因となっているのは否定できない。