華々しいデビューを飾り、『Hello Hello』『少年の瞳』『追憶の少年』『サヨナラ』など次々と良質なポップ・ロックを世に送り出したLOOKですが、バンドとしての黄金期は決して長くありませんでした。1988年12月、ボーカルの鈴木トオルが脱退を表明し、翌1989年に事実上の解散を迎えることとなります。活動期間はわずか3年半でした。
一部のメディアや噂では「メンバー間の確執」が囁かれることもありましたが、関係者の証言や当時のインタビューを総合すると、その実態は「急激な商業的成功に伴うプレッシャーと、クリエイティブな方向性の成熟による分岐」であったことが分かります。
デビュー曲のメガヒットにより、レコード会社や世間からは常に「『シャイニン・オン』のようなヒットバラード」を求められるというジレンマが生じました。一方で、メンバー個々の音楽的バックボーンはロック、フュージョン、ソウル、プログレッシブ・ポップと極めて多彩であり、アルバム制作を重ねるごとにそれぞれが追求したい音楽表現が深化していきました。ひとつのバンドという枠組みの中で全員のクリエイティビティを均等に昇華させることが構造的に難しくなった結果、互いの音楽性を尊重したうえでの発展的解消を選択したのが解散劇の真相です。