「40℃のお湯を使いたいから、給湯温度も40℃にする」という設定が電気代の無駄遣いにつながる背景には、エコキュートの貯湯構造と浴室のサーモスタット混合水栓設定における決定的な力学が存在します。
エコキュートは、電気料金が割安な深夜時間帯にヒートポンプを稼働させ、タンク内に65℃〜90℃の熱湯を蓄える仕組みです。リモコンの給湯温度を50℃〜60℃に設定している場合、タンク内の高温のお湯に水道水をブレンドして配管へ送り出し、さらに浴室の混合水栓で冷水と混ぜ合わせることで、蛇口から40℃前後の快適な湯を吐出します。
ところが、リモコンの給湯温度を40℃に設定してしまうと、水栓側で水がほとんど混ざらず、タンク内のお湯を薄めずにダイレクトで使い切る状態に陥ります。結果として、370Lや460Lあるはずの貯湯タンクが夕方から夜間の早い段階で底をつき、電力単価が夜間の2倍〜3倍近くに跳ね上がる時間帯に自動で「昼間・夕方の強制湧き上げ」が作動します。これが、給湯温度40度電気代高くなる真相の核心です。
さらに見逃せないのが、配管による放熱ロスです。給湯器から浴室やキッチンまでの配管を通る間に湯温は約2℃〜3℃低下します。40℃で送り出したお湯は蛇口に到達する頃には37℃〜38℃前後に冷めてしまい、体感として「エコキュートお湯がぬるい原因」を作り出します。ぬるさを補うために追い焚きボタンを何度も押せば、タンク内の熱をさらに奪う悪循環に陥ります。