アニメーションの世界においても、目の表現は作品の空気を一変させる強力な武器だ。たとえば『ひぐらしのなく頃に』で見られる視線演出は記憶に新しい。日常の可愛らしいキャラクターデザインから一転、発症した瞬間に瞳のハイライトが消失し、瞳孔が収縮・拡大を繰り返す描写は、視聴者に強烈なトラウマを刻み込んだ。
また、今敏監督の名作アニメーション映画『パーフェクトブルー』における狂気の眼光も見逃せない。ストーカーや精神的に崩壊していく主人公の視線は、焦点を結ばず、どこか虚空を彷徨っている。人間の脳が直感的に「異質」だと察知する不気味の谷を、アニメ表現は完璧に描き出してきたのだ。