アスリートにとって「時間」は最大の資源だ。練習量と移動時間の確保が競技生活の成否を分ける世界において、N高のシステムは画期的な武器となった。その象徴的な事例が、フィギュアスケート界で世界を舞台に戦い続ける紀平梨花だ。氷上での過酷な練習と海外合宿を重ねる彼女にとって、最先端のオンライン教育は学業と競技を高次元で両立させる強力な基盤となった。移動中や練習の合間にスマートフォンひとつで学習を進められる環境が、世界トップレベルのキャリアを支えたのだ。
男子テニス界で世界的注目を集める望月慎太郎の存在も忘れてはならない。ジュニア時代から海外を転戦し、全英オープン・ジュニアでの快挙をはじめ数々の実績を刻んできた彼は、物理的に日本の校舎へ通学することが不可能だった。地球の裏側にいても、インターネット環境さえあれば授業を受け、レポートを提出できる。従来の教育制度であれば断念せざるを得なかった「世界挑戦」と「高校卒業資格の取得」を、彼らは通信制の柔軟性を活かして軽やかに成立させてみせた。