最終回のクライマックス、千明と和平がいつものようにグラスを傾けながら繰り広げた丁々発止のやりとりは、本作の真骨頂だった。白黒はっきりとした恋人同士の誓いを交わすわけでもなく、かといって単なる隣人や友人にも戻らない。お互いの老いや弱さ、面倒くさい性格さえも丸ごと受け入れ、隣で笑い飛ばすという絶妙な距離感である。
二人が行き着いたのは、「恋のその先」にある人生の同伴者としての関係だった。年齢を重ねることは決して衰退ではなく、味わいを増すプロセスであること。千明が口にした「ファンキーでファンタスティックな大人になろう」という言葉通り、二人は肩肘を張らずに未来へと歩き出した。