二人の関係を語る上で欠かせないのが、彼らが背負う特殊な体質と過酷な境遇だ。日光を極度に嫌い、睡眠不足や身体の不調に苛まれるその姿は、作中で「吸血鬼」として描写される。兄である朔間零は、かつて学院の頂点に君臨した伝説の存在。弟の朔間凛月は、兄の陰影を感じつつも自らの居場所を探し求めてきた繊細な表現者である。
幼少期からの深い依存と、ある時期を境に生じた致命的なすれ違い。かつて零が凛月を守るために選んだ「突き放す」という決断は、凛月の心に深い孤独の影を落とした。しかし、ただの確執では終わらない。互いの活動を見守る眼差しの中には、言葉にならない家族としての情愛が絶えず揺らめいていた。