ひとつの銘柄でこれほどまでに多様な表情を見せる酒も珍しい。百楽門は、飲む温度帯によって全く異なる魅力を開花させる。冷やして(10℃前後)飲めば、引き締まった酸とキレのあるシャープな印象が前面に出る。暑い季節や、すっきりとしたアペリティフ(食前酒)として最適だ。
一方、常温からお燗(45℃〜50℃のぬる燗・上燗)につけると、隠れていた米の甘みと旨味が爆発的に広がる。角が取れた酸が温かみのあるコクに変わり、体に優しく染み渡る味わいへと変貌する。特に山廃や純米酒のラインナップは、お燗にすることで真の価値を発揮する。「一度燗酒を味わうと、もう冷酒だけには戻れない」と語るファンが多いのも納得だ。