本作の魅力を不動のものにしたのは、主演の木村拓哉を取り巻く実力派キャスト陣の圧倒的な化学反応だ。秘書官として朝倉総理を厳しくも温かく支える美山理香役の深津絵里、そして油断ならない選挙プランナー・韮沢勝利を演じた阿部寛。この三人の掛け合いは、政治という堅苦しいテーマに絶妙な軽妙さと人間味を吹き込んだ。
撮影合間のエピソードも実に興味深い。深津絵里と阿部寛は、木村演じる朝倉総理の「素朴さ」と「政治家としての覚醒」を極限まで引き立てるため、カメラが回っていない場所でも役柄さながらの距離感を保ち続けていたという。緊迫した総理大臣官邸のセット裏で、キャスト同士がセリフのテンポや間合いをミリ単位で微調整し合っていた秘話は、彼らのプロフェッショナリズムの凄まじさを物語っている。彼らが醸し出す圧倒的なリアリティがあったからこそ、視聴者は朝倉内閣の一員になったかのような没入感を味わえたのだ。