トヨタ自動車が全社を挙げて推進した構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の第1号車として世に送り出されたのが、この50系プリウスだった。当時社長だった豊田章男氏が掲げた「もっといいクルマづくり」の思想が、低重心化されたプラットフォームやリアのダブルウィッシュボーンサスペンションに色濃く反映されている。
先代までの30系で見られたコーナリング時の頼りないロールや、段差を越えた際の突き上げ感は劇的に払拭された。ステアリングを切った瞬間にリニアにノーズが反応する感覚は、単なる実用車の枠を完全に超えている。「燃費はいいが運転は退屈」という従来のハイブリッドカーの定説を覆したシャシー性能の恩恵は、年数が経過した中古車であっても色褪せることはない。