インターネット上の掲示板やSNSでは、「ル・クールが破産した2018年に全店舗が一斉に閉店した」という誤解がしばしば散見されます。しかし、これは実態と異なります。
破産当時、ヴォーノ・イタリアには直営店のほかに多数のフランチャイズ加盟店が存在していました。FC店舗はそれぞれ別の法人が建物を賃借し、スタッフを雇用して運営していたため、本部が倒産しても即座に看板を下ろす義務はありませんでした。一部の店舗は食材調達ルートを独自に切り替え、メニューを一部改編しながら営業を継続しました。これこそが、破産後も数年間にわたって「なぜか営業しているヴォーノ・イタリア」が存在し続けたからくりです。
しかし、本部のサポートや共同購買によるスケールメリット(食材の一括大量仕入れによるコストダウン)を失ったFC店舗にとって、その後の原材料高騰とコロナ禍の荒波はあまりにも高すぎました。1店舗あたりの仕入れ価格が跳ね上がった結果、FC各社も契約満了や採算割れを機に順次撤退を選択し、結果として「緩やかな全滅」へと向かうことになったのが真相です。